ガッチャマンクラウズ インサイトを3話までみての感想

 

「GATCHAMAN CROWDS insight」Vol.1 Blu-ray

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 いやー、ガッチャマンクラウズインサイトですよ。

やっぱり面白いね。一期が終わって、皆の変化が面白い。初音がもてもてで笑っちゃいました。なんだかすっかりいけてる大学生って感じで、お前ちょっと変わりすぎで調子乗りすぎじゃない! みたいな。そうそう、パイマンは内面がすごく成長した印象を受けましたね。JJの予言を軽く扱っているわけではないけれど、一期では絶対だと盲信していたものを、指針とまで言い切ってしまうあたり、自分の意思というものをしっかりと信じている、そんな印象が強く映りました。はじめちゃんはまあ、はじめちゃんでしたね。彼女はもうほとんど完成されたキャラクターって感じがします。ぶれませんね。一期のDC版ラストではカッツェとの対決で若干の戸惑いを見せていたものの、カッツェとの対決が終わったあとはもうすっきりしたものですね。彼女は本当にどういう精神構造をしているのか。謎精神とまではいいませんが、やっぱりなかなか面白いキャラクターであります。

 

新キャラクターのつばさちゃんはこう、見ていて危なかっしいなーと。はじめちゃんはどういうわけか登場から危なかしさがなかった(初音から見れば危ない行動ばかりとっていたけれど)のに対し、つばさちゃんはなんだろうな、完成されていないせいでふらふらしているというか、行動指針がガッチャマンというヒーローに寄っている(酔っているともいえるか)ので、普通の物語ならこういうキャラクターが成長してヒーローになるという話なのだけれど、ガッチャマンクラウズは一期でもはじめちゃんが言っていたように、皆がヒーローッスだから見ていて不安なんですよね。

つばさちゃんがヒーローたらんと行動し努力するたび、不安になる。ああ、きっと彼女は落とされる、と。そう思ってしまう。なまじまっすぐな性格をしている彼女なのでなおさら可哀想だと感じてしまうわけですよ。この先彼女が辛い目に遭わないことを祈るばかりです。が無理でしょうねやっぱり。

そうそう。新キャラクターといえば見た目でインパクトありまくりのゲルサドラちゃんですね。彼女は今期から新たに地球に登場した宇宙人。髪の毛は青、肌は赤、というなかなかハードな見た目をしている。しかし性格は至って温厚である。他人が争っている光景を見ると泣くくらいです。そして彼女の持つ能力もまた面白い。ゲルサドラちゃんがゲルルルル~と、昔なら魔法少女が口にしそうな呪文を唱えると他人の頭の上になにやら怪しげな記号? が現れるわけですよ。それはその人の心だという。

 

これ、怖くないですかね。

他人の感情が目に見える。すると他人は否応なく他人の心を意識するってことですよ。つばさちゃんがゲルサドラちゃんに教えていた、空気という単語があります。空気を読む、という行為があって、それを教えたわけですが、さて、宇宙人であるゲルサドラちゃんにはこの行為がどう映ったのか気になりますね。

私たちは、というか誰だって大多数に所属したいと思うんじゃないでしょうか。日本に住んでいるとどうしたって民主主義とか多数派少数派とか、そういう数の暴力みたいなものに晒される。だから他人の意見を聞いたり見たり、時には感じたりしながら自分の意見を述べるわけですよ。これって辛いっすよね。私は辛かったかな。あまり空気の読める人間ではないので。

ゲルサドラちゃんは3話で皆の意識を集め(吸い取り)、そしてつばさちゃんに届けているシーンが見られます。皆がそう思うなら、と。これって多数派の意見を汲み取っているんじゃないでしょうか。確かに、そのシーンではるい君が倒れています。そしてそれをつばさちゃんが助けようとしています。多数の人間はるい君を助けてと言っています。しかし、全員がそう思っているわけではなかった。

つばさちゃんが助けに走ろうとしたとき、ODは止めました。はじめちゃんは、るい君の来るなだったかな、その意見を聞いて走るのを止めました。彼らは血を吐いて倒れている仲間を助ける、本当の意味で助けるとか尊重するとかいう、そういうことをしたと私は見ています。もちろんつばさちゃんの行動が間違っているとかいうつもりはありませんし、あの場面を見れば私だって、どうしてガッチャマンは仲間を助けないのか、と思うでしょう。しかし、やはりあの場面、一期を共にすごしてきた仲間であるODやはじめちゃんの行動のほうが正しいように思える。

るい君はたぶん、本当に助けて欲しくなかったんじゃないかと思う。彼は一期でカッツェと戦い、己の中の問題と向き合い、葛藤していたわけです。そしてるい君も成長している。他人を信じると言う彼の言葉には一期とは違う、本当の意思というものを感じました。そばで見ていた仲間にはそれがわかる。だから、助けに行かなかった。それを他人がとやかくいう筋合いはないと思いますが、たぶん、世間は認めてくれないでしょうね。ガッチャマンは非難されるんじゃないでしょうか。ヒーローとは何か。それははじめちゃんが言っていたことですし。

二期ではなんだろう。これはユリ熊嵐とかでも扱っていたテーマかな。空気を読むことの悪意、とかもっと簡単に同調圧力とかいうものが前面に出てくるのかな。よくわからないけれど。まあ、とりあえず面白いのは間違いないので最後まで見ようと思います。相変わらずはじめちゃんが可愛いので楽しいですしね。